味蕾(みらい)とお酒の味わいの秘密
【大人の科学】同じお酒なのに味が激変!?舌の上のセンサー「味蕾(みらい)」と日本酒の深い関係
みなさん、こんにちは。
「同じ日本酒なのに、器を変えたり、飲み方を変えたりするだけで、なんだか味が違って感じる…」
そんな不思議な経験をしたことはありませんか?
「自分の体調のせいかな?」「気のせいかも」と思ってしまうかもしれませんが、実はそれ、気のせいではありません!
私たちの舌にある、味を感じる小さなセンサー「味蕾(みらい)」の仕組みが関係している、とても科学的な現象なんです。
今回は、知っているとお酒が10倍美味しく、そして楽しくなる「味蕾とお酒の秘密」を紐解いてみましょう。
そもそも「味蕾(みらい)」ってなに?
私たちの舌の表面を鏡でよーく見ると、小さなブツブツがありますよね。その中や、口の奥の粘膜などにある細胞の集まりが「味蕾」です。
味蕾は、食べ物やお酒が口に入ってきたときに、その成分をキャッチして脳に「おいしい!」「甘い!」「酸っぱい!」という信号を送る、大切な味のセンサー。
このセンサーが感知する基本の味は、以下の5つと言われています。
甘み
酸味
塩味
苦味
旨味
日本酒は、この「塩味」を除く【甘み・酸味・苦味・旨味】の要素が複雑に絡み合っているため、世界的に見ても非常に表現豊かなお酒なんです。
鍵を握るのは、お酒が通る「滑走路」
「でも、お酒自体の味が同じなら、センサーに届く味も同じでは?」と思いますよね。
ここからが面白いところです。
ポイントは、「お酒が舌のどこに、どんな勢いで、どう広がりながら届くか」。
器の形や飲み方によって、お酒が舌の上を走る「滑走路(ルート)」が変わるため、センサーの刺激され方が変わり、
脳が感じる味わいも激変するのです。
① ストレートに喉へ駆け抜けるルート
小さなお猪口などでクッと飲むときは、自然と頭が少し後ろに傾きます。すると、お酒は舌の真ん中をストレートに、
少し勢いよく喉へと流れていきます。
お酒が舌の上に留まる時間が短くなるため、雑味を感じにくくなり、「すっきり感」や「ノド越しのキレ」が主役になります。
② 舌の上をゆっくり広がるルート
口元がすぼんでいて、ふくらみがあるワイングラスなどで飲むときは、お酒が舌の手前(先端側)にそっと着地し、
そこからゆっくりと奥へ伝わっていきます。
お酒が舌の上にとどまる時間が長くなるため、センサーが味をじっくりキャッチ。お酒が持つ「まろやかな甘み」や
「心地よい酸味」が、より豊かに引き立ちます。
③ 舌全体にふわっと満ちるルート
口が広く開いた平盃(ひらはい)や大ぶりの器で飲むと、口に含んだ瞬間にお酒が横一文字に、舌全体へと広がります。
舌にあるすべてのセンサーが一斉に刺激されるため、そのお酒が持つ「深いコク」や「複雑な旨味」を、五感をフルに使って
ダイレクトに楽しむことができます。
まとめ:自分の舌のセンサーと遊んでみよう!
器の形は、お酒を舌の上のセンサー(味蕾)へ導くためのコントロールタワーのようなもの。
「すっきり飲みたいからお猪口にしよう」「このお酒の甘みをじっくり味わいたいからワイングラスにしよう」と
選べるようになると、家飲みのご褒美タイムがぐっと豊かになりますよ。
★あわせて読みたいオススメ記事
「じゃあ、具体的にどんなグラスを使えばいいの?」と思った方は、ぜひこちらの実験レポ【器を変えるだけで味が激変!?
日本酒が10倍おいしくなる『グラス選び』】も参考にしてみてくださいね!
今夜の晩酌は、ぜひお酒が舌の上をどう流れていくか、センサーの動きに意識を集中させて味わってみてください。
いつもと違う新しい美味しさに出会えるかもしれません。
それでは、素晴らしいお酒の時間を。
乾杯!